都岳連 自然保護委員会 山の自然と環境の保護でタグ「委員のつぶやきコラム」が付けられているもの

山を楽しむ :委員のつぶやきコラム

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近頃は、山の楽しみ方、活動の仕方などが多様になっています。
歩く、走る、足で、自転車で。完全に遠慮して欲しいオートバイ、私は危険な目にあいました。

健康ブームの影響でしょうか、山を足で走る人が特に増えています。マナーを守り、一般登山者に迷惑をかけたり、危険を感じさせないで大自然を堪能できればと思います。狭い登山道は通過に注意する場所もあり、団体での競技走行は特に注意が必要ですね。

狭い登山道での譲り合い、挨拶などが自然体で行われ、都会でゴミのポイ捨てを平気でしている人も山ではしていないなど、自然の中に入ると、人々の心も和やかで、純真になるのでしょう。
都会や近郊でも開発、相続税、車庫建設などで樹木が少なくなっています。樹木の有る所では、心のゆとりが出てくるように感じます。
緑を増やし自然と人との共存を大切に。

森谷博史

p20110930umenokigoke.jpg  最近、山に入るまでのアプローチで楽しみにしていることがある。農家の庭先にある梅の木や登山口あたりにある桜の幹を見ながら歩くのだ。幹に環境指標生物のウメノキゴケが着生していると、ああここは二酸化硫黄濃度が低いんだと、心が安らかになって思わず深呼吸したりする。
 ウメノキゴケは葉状地衣類の一種で必要な水分や養分を雨や霧、露などの空気に含まれる水分や無機物から吸収している。そのために、大気中の汚染物質の影響をモロに受けるので汚染濃度の高い市街地などでは見られない。
 今年7月に中央沿線の百蔵山(1003m)に登ったが、狭い山頂のど真ん中にある桜の幹のあちこちに、灰緑色の葉状体を発見した時は単純に「近くていい山」を実感したものである。

宮崎 仁一郎

写真: 百蔵山山頂の桜の幹に着生するウメノキゴケ

大陸移動説 :委員のつぶやきコラム

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 今から丁度100年前の1912年、ドイツのヴェゲナーが南北アメリカ大陸の東海岸線と北欧~アフリカ南端までの西海岸線がピッタリ合う事から大陸が割れて移動したと発表した。しかし、地質学者が取り合わなかった。
 その後、彼は証明のためグリーンランドに行き過労死。一時この学説は立ち消えた大戦後、地磁気の研究で大陸が移動したと考えないと証明できず、東日本大震災でもわかるようにプレート説が浮上、確たるものとなった。これにより大地震予知研究等が大きく進んだ事は確かだ。
 ヴェゲナーのように広い視野に立って、多くの知識を会得し、新しい発想で自然を見つめ直す時代が来ているのではないだろうか?

藤井謙昌

山を走る :委員のつぶやきコラム

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最近、一般道を走る市民マラソンは異常なほどの盛り上がりである。トレールランニングも市民権を得つつある。辞書には「森林・原野・山地などにコースを設定して、走破するタイムを競う耐久レース。トレラン。」とある。

都岳連が主催するハセツネCUPも大変な人気。自然保護委員会では自然保護の観点、安全性、登山道占拠などからトレランには厳しい目を向けている。
ならば一度走ってみようと、いざ高尾山方面へ。山の楽しみと走る楽しみ、両方味わえた。

少人数でかつ自然や人を思いやる心を持ち、マナーを守り安全を確保できれば、スポーツとして認めてもいいのでは。大人数で駆け抜けるレースとはやや違う。みんなの宝、山を大いに考えさせられた。

福田博明

いのちを守る森づくり :委員のつぶやきコラム

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 山を登りながら、漠然と自然保護や保全について考え、森林の勉強をしてみたいと思い始めた頃、「3000万本の木を植えた男」という植物学者の宮脇昭先生を知った。昔からあった土地固有の植生を割りだし、その土地に最適な木『潜在自然植生』を植える活動を国内外で続け、83歳の今も現場で活動をする「植樹の神様」といわれる凄い人である。
 その先生が、東日本大震災の未曾有の被害状況を見て、森の防潮堤づくりの提言をした。有害物質等を取り除いた瓦礫を土と混ぜて盛土をつくり、その上に潜在自然植生の植樹をする。
 人間の力ではとても太刀打ちできない自然の驚異。被災地にあふれる瓦礫の山を未来につながる「いのちを守る森」へ。自然との共生の在り方を問うこの壮大なプロジェクトを応援したいと思った。

はせがわ 

参考: 宮脇 昭「がれきを森へ・・・ 命を守るプロジェクト」
http://www.youtube.com/watch?v=SHCqz_lHL0Q&feature=related

長い目で見ると植物は変わる :委員のつぶやきコラム

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80年生きて、地球の大自然を見て来た。地球の大自然を簡単に、人間の力では変えることは出来ない。又、地球温暖化と言う言葉も良く使われる。暑い年や、寒い年はあるけれど、地球の赤道近くは50℃近くになり、北極・南極はマイナス50℃近くにもなり、約100℃の差の中で、人間・動物・植物は生きている。2千万年古い化石を見るとき、相当の数の絶滅した動植物もあり、現在も絶滅危惧にさらされている動植物の現状がある。

60年以上、山を歩いていると、山の植物は変わって来ている。カタクリや笹が消えたり、フキが消えているようなことが多く見られる。植物は連作を嫌うからでしょうか。畑でカタクリ粉を生産していた農家は、日本で一軒もなくなった。笹の葉などを製薬会社に出していた農家も、数十年毎に場所を変えているようだ。植物は連作を嫌う為に、その畑の土壌を変えてやらなければならいので、耕したり、肥料を与えたり、畑を移転させたりする。又、植物によっては、自ら蔓を延ばして移動していく。

何もせず、じっと見守って行くことも、自然保護のひとつかと思うが、大切にしていく事を考えるのも自然保護のひとつと思います。

野本秀旺
p20110430cactus.jpg子供の頃にサボテンを買ってから何本も腐らせたが、これが絶滅危惧種とは後に知った。変わった形のものほど希少で、生育環境にこだわる。マダガスカルなどの原産地では農地化や園芸家向けの採取で激減していると聞く。
希少で生育環境を選ぶことでは山で出会った高山植物も似ている。レジャーや撮影での生育地への侵入や販売目的の盗掘も似ている。
状況が理解できれば影響の少ない行動がとられると思う。高尾山の清掃登山から入った自然保護委員会で、仕事で慣れたインターネットを活かして情報を共有し、協調者が増えることを願っている。

野口 一徳


写真: 日本で購入できるサボテン
参考: Red Data Book (imagesタブに写真がある)http://www.iucnredlist.org/apps/redlist/details/40961/0
近年の地球環境は年ごとに悪化しています。
環境に関する法律は、ひと昔前から比べれば条約、条例、法律と多岐にわたって制定される様になりました。司法試験の中に環境法が選択科目のひとつになっているという事実は近年の環境保護運動の成果ではないでしょうか。
環境基本法、森林法、自然公園法、景観法、水質、大気、騒音、化学物質、リサイクル法、ラムサール条約、モントリオール議定書などなど、多岐にわたっていますが、これらのことを少しでも勉強しなければと考えて居ります。指導員の皆さま方にも是非、時間を作り、関心ある分野を勉強して頂ければ、環境問題の一端を理解する手助けにもなると思います。

西山

自然保護と環境保全について

これらは度々申し上げて参りましたが、今尚、区別が一般化されていない様ですので(例えば岳連通信2010年第1号巻頭言)この際、申し上げる事としました。

「自然保護」とは、人間以外の諸生物(植物・動物・菌類)及び一部無機物としての自然物(岩石・鉱物)の本来のままで保存する事で、人による破壊から守る事です。
「環境保全」とは、人間を中心とした生活圏の確保・保全(大気汚染・騒音・振動)で、両者には重複点が多くあるから、実状では判然としない場合も多い。

私達の活動も、現状では重複している事が多く、こうやって理屈を述べ理論的に分類して、自然保護に類する事だけを活動すると云う訳ではないが、これらの点をよく理解した上で、行動してゆくべきだと思います。

新村 貞男

人工登攀の終焉 :委員のつぶやきコラム

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人工登攀の終焉

1966年(昭和41年)7月10日、黒部別山大タテガビン南東壁正面壁鵬翔ルートを丸山隆司、竹内昌博、徳永邦光の3名で初登攀した。
ルートは、基部から登攀終了点まで全長480M、グレード「4級・A1」。
この初登攀を契機に、南東壁は次々と新しいルートが、人工登攀(エイドルート)で開拓された。

その当時は「ヒマラヤ鉄の時代」と云われ、岩壁にハーケンやボルトを打ち込む事は、ルートの難易度を下げない限り、抵抗感が無かった。
しかし、高所登頂も無酸素が当たり前となり、岩壁登攀も前進の為の人工を排し、ルートのフリー化、即、人間自身の力で攀じる思考へと進化した。
クライマーにも、自然環境保全の理念が浸透した証左であろう。
自然は人間の畏敬の対象でもある。

徳永邦光

来年の夢 世界最小の花 :委員のつぶやきコラム

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来年の夢

今年も残り少なくなりましたが、世界最大の花、「ラフレシア」が今年7月に小石川植物園で咲いたのを覚えていらっしゃいますか。
強烈な匂いで、たった2日の開花とか、テレビでみました。

とたんにそれでは世界最小の花は?
ネットで調べましたら「ミジンコ浮き草」だそうです。0.5ミリの葉?に咲く花、見てみたいです。

種子植物だそうですから花が咲き、実がなるのでしょう。めったに咲かないそうですが、栽培は容易にできそうです。今度横沢入りで、見つけて栽培してみようと思います。

もし花が咲いたらビックニュースです。

椎名 宏子



Web担当で参考リンクを追加しました:「oNLINE植物アルバム」のサイト
ラフレシア
http://plantdb.ipc.miyakyo-u.ac.jp/php/view.php?plant_id=12685&data_id=
ミジンコウキクサ(細かい方がミジンコウキクサ)
http://plantdb.ipc.miyakyo-u.ac.jp/php/view.php?plant_id=11526&data_id=

マングローブの森 西表島 :委員のつぶやきコラム

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p20101025maryudufall.jpg  今夏、西表島へ行った。
 この島は沖縄本島に次ぐ大きさがありながら、亜熱帯ジャングルが90%以上を占め、人は島の半分にしか住んでいない未開の地を残す自然豊かな島だ。

 観光客が増加するにつれ、自然を観光資源として利用することで、大切な財産を失いたくはない。この島を第二の屋久島にしないため、島の大きさに見合った利用方法を考え、自分たちの手で守ってゆく道を探していると島民が語ってくれた。

 エコツアーに参加し、ゴムボートでマングローブのジャングルへ分け入り、崖から落ちる滝に打たれたり、シュノーケルを付けて熱帯魚や珊瑚礁を観察したりと、手付かずの自然を満喫しながら、この自然を次世代へ引き渡すのは私たちの責務と思った。

小島

写真: 浦内川上流のマリュドゥの滝(日本の滝100選)


岳人達の憩いの場に :委員のつぶやきコラム

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周囲の反対・心配を押し切って前職と180度と言っていい位違った職種である「おでんと山賊料理の店・川端」を飯田橋駅近くに開業して3年と8ヶ月、皆様のご支援により順調に営業しております。

この間、子供の頃から慣れ親しんだ山登りや、1991年から参加させて頂いてる自然保護委員会の活動を通じて知己を得た全国の岳人のご好意により、旬の山菜やキノコ、ユズやアケビといった山の果実、イノシシやシカとウマ等の獣肉などなどの東京では珍しい食材を送って頂きお客様に提供しております。
是非お立ち寄り下さい。なお、土日・祝日は山行のためお休みさせて頂いております・・・

小高令子
p20100802makihata.jpg  私が初めて巻機山での植生復元の活動に参加したのは1992年。その当時、登山道が荒れている、特に高山でのお花畑が踏み荒らされていくことに心を痛めていたことがきっかけでした。何かできることはないだろうかという思いでの参加でした。

 それからほぼ毎年のように行き、種取り、種まき、池塘の復元など、1年でたった2日の参加でも、毎年のように行くと自分たちが作業した結果が見えてきます。緑がよみがえるのが実感できました。反面、やってもやっても戻らなところも・・・、自然をもどす時間の長さが実感できました。
 そして、定期的に同じ山に行くことで山や自然の様々な変化が見えるようになってきました。
 どなたもホームグラウンドの山を持ってみてはいかがでしょうか。

岡田

ご参考: 今年も巻機山の植生復元の活動が行われます。重労働はありません、気軽に参加ください。
巻機山景観保全ボランティアーズ
http://www.asahi-net.or.jp/%7Evj3m-yki/makihatatop/makihatatop.html

 東京の梅雨を避け北海道に出かけてきました。もしかして丹頂鶴に会えるかなと思って春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターに立ち寄りました。

p20100624tancho.jpg p20100624shunkunitai.jpg

 2005年11月、風蓮湖・春国岱はラムサール条約に登録されました。ラムサール条約の「ラムサール」って何のこと?
 「ラムサール」とはイランのカスピ海に面した小さな町の名前なのです。条約の正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。世界で初めて生まれた自然保護のための国際条約です。

 現在は日本全国に33箇所の登録地があります。水資源としても重要な湿地(ウエットランド)は特有の動植物を育む生物生産力を持っています。
 雄大な風蓮湖を眺めて大切にしていきたいと新たに思っております。

委員:アンカー

特許許可局、いま朝の4時頃から甲高い鳴き声が聞こえています。ここあきる野市はその面積の約60%がいわゆる森林です。その森林資源の活用の一環として取り組んでいることに「郷土(ふるさと)の森」構想があります。これは市の大きな資源である市有林を都心部の自治体や企業とのコラボにより整備し、環境学習や癒しの場として提供することなどが目的です。
平成19年から戸倉刈寄地区に「みなと区民の森」が整備され、今年3月には「新宿の森あきる野」、4月に「サントリー天然水の森 奥多摩」と続々誕生しています。
都岳連自然保護委員会がこの地を観察会や委員研修の主なフィールドにして10年以上になります。私有林を提供できる地主さんもいますので、そろそろこのような取り組みに目を向けて考えるグループを立ち上げませんか。

あまの

ハチトケンシとピーエム2.5 :委員のつぶやきコラム

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 漢字で書くと「八都県市:首都圏4県都と4政令市」。6年前に揃って域内の自動車排ガスを規制、あの懐かしい?「ディーゼル排ガスの黒煙」が出せなくなったのです。
 英語で書くと「PM2.5」、イレブンpmの親戚ではありません。同じく排ガスから出る微小粒子状物質のことで、国は平成21年9月9日付けでこれに係る環境基準を米国並みに設定しました。

 究極の利便性?の自動車から排出される物質が「人の健康を損なう」時代。私達は利便性と環境保全の狭間で、色々な場面で選択を迫られるようになりました。
 登山だって「与えるインパクトと自然保護」のムジュンを考えさせられる時代です。せめて「緑の増殖につくせる」ようにと、行動しています。

大島文雄